【意識の高いオレ】「オリジナリティ」の審査員をしてきました
「ひとつのことを続ける」というのは偉大なことだと思います。
2ヶ月ぶりに記事を書きます。金子です。
先日、アクセルパーティーという、ダブルダッチのイベントの審査員をやって参りました。与えられた項目は「独創力」。
自分なりに色々とこの言葉をこねくり回して審査をしてみたので、ちょっと頑張ってみたので、誰かに褒めてもらいたくてその内容をオープンにしようというのが、この2ヶ月ぶりのブログの趣旨であります。
ついでに僭越ながらジャッジムーヴということでオープニングパフォーマンスに混ぜ込んでもらったので、よければ見てください。
独創力、つまり「オレ達のやり方」をちゃんと実現できているチームの審査をしなければならないので、曲もしっかり選んでみました!
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■そもそも独創力ってなんやねん
なんなんでしょう。この雑然とした言葉。
世の中的にも「クリエイティビティ」とか「オリジナリティ」とかの大切さは声高に言われ始めていますが、正直その実は謎に包まれています。
が、男 金子、一審査員として、ここは自分なりの考え方で臨まねばなりません。
見知らぬ一年生に、「金子さんの思うオリジナリティってなんですか?」と聞かれ、答えられなければ一生の恥になると思うわけです。
なので定義をしてみました。
「オレがまだ見た事のないもの」
エゴイズム溢れる審査基準。これが「ひろのりのやり方」
半分嘘で半分本当です。
■独創力の点数基準を考える
「まだ見たことない」っていうことを独創力評価のベースにしつつ、最終的には「点数をつける」というところに落とし込んでいかねばならぬのが僕のミッションでございます。
というわけで今回はこのよくわからない「独創力」を4つの構成要素に分解し、それぞれの点数のつけ方もちょっと工夫を付け加えてみました。
っていうのも、純粋に「10点満点で点数つけてねー」って言われてもよくわかんないんですよ。なぜかというと、点数だけ単純につけようとすると、その点数が=順位付けになっちゃって、「絶対評価」のはずの評価点が「相対評価」になっちゃうわけです。
となると、全チーム見ないと点数なんてつけられないわけで。
その結果、「あのチームはあの出演順でよくここまでやったよねー」という、本来の評価軸とは全く異なる「勝負は水物」論調が蔓延り続けることになるわけです。
まあ結局パフォーマンスなんて見る人が点数をつける以上、「相対評価」的な部分はどうしても免れ得ない事態ではありますが、ここをなんとかしたいなあという感情は結構ありました。
では、今回僕がこの「独創力」というカオスにいかに立ち向かったかという半ば自慢話、半ば恥さらしを披露しようと思います。あくまで「ダブルダッチコンテスト」向けの審査手法ということは念頭に入れてくださいまし。
一旦評価方法だけ書いて、あとで説明します。
■項目分解
独創力10点満点を以下4項目に分解する
①パフォーマンス全体の新規性及び構成力
②ダブルダッチに関する技・ルーティーンの新規性
③演出効果
④+αの個人技
■採点手法
以下の「上・中・下」の項目に照らし、①②項目については「1〜3点」を、
③④項目については「0〜2点」を各チームに配分する
上…コンテストで100強のチームを見た後でも覚えてて、速攻で話題にするレベル
中…言われたらどんなものだったか思い出すくらいに印象が強いレベル
下…言われても覚えてないレベル
なんとも定性的な感想を一旦数値化してみて点数化しようというのが今回の目的でした。では、項目点について何故この形にしたのかをご説明しようと思います。
■前提①…ダブルダッチパフォーマンスの構成要素
ダブルダッチパフォーマンスの構成内容・評価対象は、ものすごく簡素化すると、以下3つのレイヤーに分解出来ると思います。
①パフォーマンス全体
②ムーヴ
③個人技
一旦これを念頭に入れて、項目分解の妥当性を無理やり主張していきます。
まずは下位レイヤーの個人技から説明していきましょう
■前提②…個人技評価について
個人技は単純に2つに分解出来ます
①ダブルダッチやってる人じゃないと出来ないこと(縄とかハリーとか)
②助っ人でも出来ること(1抜けアクロとか上半身の動きにフォーカスしたダンスとか)
①はダブルダッチの大会において多分に評価されるべきですが、②に関して大きな比重で評価してしまうと、「そもそもダブルダッチってなんやねん」という話に発展しがちです。ただ個人プレイヤーのインパクトが強いケースも往々にしてあるわけで、その存在を見過ごすと、妥当な評価になるかはかなり微妙なところが大きいです。
ということで、①タイプのプレイヤーに関しては項目分解上の②④どちらの評価を考える上でも対象とし、②タイプのプレイヤーに関しては④の枠内を出ないという考え方にしました。
■前提③…ムーヴ評価について
きちんと「組み合わせ技」のレベルに昇華出来ていれば、先ほどの「助っ人タイプ」の個人技も、とてつもない武器に変わるわけで。
飛び方・通し方、それらの複合物をルーティーンとここでは呼んでいるわけですが、エッジの効いたルーティーンはダブルダッチ競技でオリジナリティを担保しようとすると必須だと思います。
■前提④…パフォーマンス評価について
上記した個人技・ムーヴを組み合わせたものが「パフォーマンス」に結果としてなります。
単純に技だけを繋いでもいいんですが、魅せるための+αとして「演出」という要素が顔を出します。
曲だったり、縄を使わない動きだったり、衣装だったり、それぞれの「技」を効果的に魅せる工夫をここでは「演出」と呼ぶことにしています。
■この仕組みでやりたかったこと
つまりは
個人(スキル)+ルーティーン(個人スキル×アイデア)+演出=パフォーマンス
という簡素化した方程式を前提にして、それぞれに対して評価をしていこうと。
お気づきかもしれませんが、この評価基準は全くMECEになってないです。
おもろいチームはどんどん評価されて、おもんないチームは全く点数上がらないという仕組みにしてみました。なんと差のつけやすい。
MECE発想を外す、というのは割と発明なんじゃないかと個人的には思ってます。
■実際にやってみた
この基準、中途半端な優しさが出るとえらく使いづらいなーと思いました。
徹底的に自分の知識と経験に当てはめて、「どの程度興奮したか」を言語化していく作業は結構覚悟が必要だなあと思いました。
逆に言えば「決め」さえちゃんと出来れば、その審査員にとっての等身大の審査が出来るだろうなあと思います。
ということはその審査員が参加者からしっかりとプロップスを得ていることが審査妥当性にとっては大前提となりますが。
■最後に〜アクセルパーティーの点数化で見えてきたこと〜
分解して点数を出すと、傾向値が出てくるのが面白かったです。
今回のアクセルパーティーで言うと、
①パフォーマンス全体の新規性及び構成力
→平均1.02点
②ダブルダッチに関する技・ルーティーンの新規性
→平均1.06点
③演出効果(①、②と点数ベース調整)
→平均1.18点
④+αの個人技(①、②と点数ベース調整)
→平均1.37点
という形でした。
様々なチームでひとりかふたり頑張って練習してスキルとオリジナリティを
磨いている子がいる一方で、そのような子達が自己のスキルをルーティーンに
昇華していないということが傾向値として出て来ました。
どれだけ個人で頑張っても、それをチームに還元出来てないと点数が上がらないのがこの仕組みというところはあります。
ある種「ダブルダッチってこういうところが面白いよね」「こういうチームに増えてほしいよね」という個人的願望全開になった審査基準ですが、参考にしてもらえる人が増えるといいなーと思います。