種馬ジャーナル

ストリートスポーツやアングラカルチャーを中心に、体験・レポートするブログ。話がまとめられない子なので、更新頻度が悲惨

何故君はサイファー予選を勝ち上がれないのか

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サイファーはやっぱり実績のある人しか上がれないんですか?」

 

 

 

Double Dutch One'sの審査員を務めさせていただくと、イベント終了後にこう話しかけられることがよくあります。

 

「いや、そんなことはないよ!僕らも『その日すごい奴が勝ち上がる』って言うのが理想だと思ってるし、そのつもりで勝ち残りの選考はしてるつもりだよ」

 

そう答えます。

 

 

が、

 

 

往々にして、話しかけてくれた子が、サイファーでどんなプレイをしていたのかを覚えていません…

 

 

いや、正確に言うと、「顔は見たし、その衣装も覚えてる!が、何してたか全く印象になかった」っていうことなんです。申し訳ないんですが。さすがにムツゴロウさんじゃないし、そんな記憶力良くないですからね。

 

 

ただ、それだけではジャッジ務めさせてもらった人間としてあまりに無責任な感じがするので、今日は『ワンズでサイファーを勝ち上がる人は何が違うのか?』ということを、僕の解釈で説明してみようと思います。

 

 

 

1.アピールの仕方が、ジャッジの意思決定の流れと合致している

僕がひとりのプレイヤーをピックアップするまでの心の流れを図にしてみました。

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(某消費者行動モデルを参考にしています…)

 

①目に入る…衣装や動きの大きさで目に入る

②興味が出る…動きのクオリティやセンスに対して、いいなと思う

③覚える…また何かいい動きを出してくれるんじゃないかと目で追う様になる

④食らう…絶妙な音ハメや技術、動きの綺麗さなど、ムーヴ1連の流れを見て、『すげえ!』と思う

⑤決める…『こいつは他のジャッジに対してもピックアップ推薦出来るな』という確信を得て、意思決定

 

 

冒頭の「実績のある人しか上がれないんですか?」っていう質問は半分Yes半分Noで、そういう人たちって、既に③からのスタートに認識上どうしてもなるんですよ。

なので、他の参加者に比べると目で追ってしまう分比較的上がりやすくなる。

何か所もで同時に跳んでても全部見られないからね。

 

 

上手く上がれない人たちは、40分のサイファーの中において、『自分は今、①~⑤のうち、どこにあたるんだろう?」っていうところが全く見えていない印象があります。

 

ひたすら④を狙って大技ばかり繰り出してくる子もいるんですが、④ってノーミスのムーヴがどうしても大前提になってしまいますし、そもそも①~③を満たしていないと、ジャッジが見ていない可能性も比較的高いので、その戦い方ってものすごくハイリスクなギャンブルだと思うんですよね。

仮に上手く行ったとしても、④のムーヴが②の役割になってしまうと、もうそこからはどんだけ④を繰り出し続けるかの体力勝負です。

 

 

激戦の関東ワンズで、マサエちゃんが現役生として数少ない決勝進出を何度も果たしてきていたのは、この①~④がしっかりと実現されていたからかなあと思います。

もちろん、その日の出場者レベルやジャッジ次第で、①②のハードルの高さもメチャクチャ変わります。

 

 

2.戦い方に戦略性がある

たくさんのライバルの中で目立っていくためには、当然『差別化』が必要です。

敵を知り己を知ればなんとやらという故事もありますが、まずは自分のプレイヤースタイルを改めて把握することが第一歩だと思います。

 

プレイヤースタイルをざっくり分類するとすればこんな感じでしょうか。

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もちろん、『A&B』とか、『A&D』とか、領域をまたぐ人も存在します。

TMYさんなんて誰がどう見ても全範囲カバーだと思いますし。

 

で、勝ち残っていくためには、『その領域で一番になる』、『競合の少ない領域で戦う』などのやり方が必要になってくるわけです。

 

 

ここで例を挙げると、関西でYUIが最近めちゃくちゃ強くなってると思うんですが、彼女のプレイヤータイプを見ると、

・ちょっと前…『D』

・最近…『D』+『A』+『B』

みたいな戦い方に変化をしているように感じます。

特に『A』『B』の象限に踏み入れてる女の子プレイヤーは結構特異だと思っていて、そこが彼女の強さを押し上げてるのかなあと思います。

 

 

で、話戻りまして、ここで「自分はAだ!この中で一番になろう!」って、勇み足で練習続けるのはちょっと早計だと思ってまして、

 

「じゃあどういう軸で一番になるの?」

 

っていうところを考えていくべきなのかなあと思います。

それを考えるためのマトリックスの一例を上げます。

 

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こんな感じで、縦軸・横軸に何を置くかを考えながら、自分が一番になっていく領域を見定め、まっすぐ進んでいくのがいいのかなあと思います。

「上半身安定×足はシンプル」なハリーが全盛だった時代に、「異次元の足技」を出し続けていたMASAは今やワンズ界最強の男の一人ですね。

努力や技術ももちろんですが、ポジションの突き抜け方も最高に上手いと思います。

 

 

こうやって自分のポジションを確保した上で、「じゃあ本選では誰相手にどう戦うのがいいのかな」という相性とか戦術とかの話が次に出てくるわけですね。

そこはまた追々。

 

 

とかく、Double Dutch One'sは来るたび参加者も増えてて、新入生からレジェンド級のOBまでが凌ぎを削る物凄くアツいイベントだと毎回感じます。

これからもまだまだシーンを盛り上げていくこのイベントで、新たなるスターが生まれるのを、いちOBとして楽しみにしてます!!!